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たったひとりの友達
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小学校の頃、いつも一緒に遊ぶ仲良しグループがいた。ある日の休み時間、理科室から教室に戻る途中、みんなで廊下を歩いていると突然グループのひとりが「俺青!!」と言って走り出した。当時「F-ZERO」というゲームが流行っていたのだ。次の瞬間、みんなが一斉に「俺赤!!」「俺黄色!!」と好きなマシンのカラーを叫んで走り出した。僕は突然の皆の行動にあっけにとられて、「えっ?えっ?俺も走らなければいけないのかな!?」と一瞬迷った。そうこうしているうちに友達は時速400キロのスピードで遠ざかっていく。僕は焦った。ふと横を見ると、グループの中のひとりだけが、悠然とその場に立っていた。彼は僕と目が合うとちょっと笑って、「恥ずかしいな。」と言った。僕はそれを聞いてなんだかとても安心した。僕は彼と、ゆっくり歩いて教室に戻った。


彼とはその後大喧嘩して、絶交した。なぜ喧嘩したのか、理由は覚えていない。僕は彼が好きだったので、とても気まずい思いをしながら小中学校を一緒に過ごした。一言も口をきかずに卒業した。


成人式の時、彼と再会した。彼は、沢山いる同級生の中でただひとりだけ、昔よりもかっこよくなっていた。少なくとも僕にはそう思えた。僕は思いきって、彼に話しかけた。

「久し振り。」
「ああ、久し振り。」
「なあ、俺達喧嘩してたよな。」
「ああ、そうだったかな。」
「ごめんな。」

僕がそう言うと、彼は恥ずかしそうに笑った。
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